プラネテスPhase11 「バウンダリー・ライン」

プラネテス 4
プラネテス 4
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バンダイビジュアル (2004/07/23)
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おすすめ度の平均: 5
5 原作ファンも必見
5 名エピソードが詰まってます。
5 リアルです。

「ここからは国境線なんて見えないのに…ただ地球があるだけなのに」
概要
チェンシンに食事を誘われタナベ、そんな様子がハチマキはどこか苛立っていた。そんな中EVAスーツを着た一人の男が現れる。名前はテマラ・ポワチエ、南米にあるエルタニカという国からやってきたと言う。彼はEVAスーツのテストをしてもらいたいため、ISPV-7、テクノーラ社に来たのだと言う。事業部長のドルフはまあまあ乗り気、だが彼を取り巻く連中はあまり良くは思っていなかった。
レビュー
今回のPhase11は考えさせるお話でございます。中心人物はクレアとテマラの二人ですかな。そんでもって二人ともエルタニカ出身という共通点があったりします。エルタニカという国は経済封鎖や内紛といった状態であり、識字率も高くない(と思われる)発展途上国だったりします。そんなエルタニカ出身の二人、クレアはというと幼少の頃をエルタニカで過ごし後にアメリカへ移住、現在アメリカ国籍であります。一方のテマラはエルタニカで生まれ中国で宇宙工学を学びそして再びエルタニカに戻ったんですね。
テマラ曰くエルタニカに必要なのは産業を興して国を豊かにする事である、と。
クレアはエルタニカの過去を払拭するかの如く仕事に励むエリート社員、一方のテマラは国の未来、夢を興したいと望む一人の男。そんな二人の対比を描きながら話が進んでいくんですよね。Phase11は後々の話でのクレアの心情を揺り動かす原因の一つになりますんで見逃しちゃいけないですょ。
解説?
星見のヘタレ解説(笑)。テマラの持って来たEVAスーツの特徴としてドルフが「母船を経由せずに直接ナブスターと接続できる」と言いました。以前の話でもちらちらと「ナブスター」という単語が出てきますが、これは地上で言うところのGPS(Global Positioning System)ではなかろうかと。確か現在運用されているシステムはアメリカの開発したナブスター(NAVSTAR、何の略かは分からん^^;)というシステムなんですよね。そこから推測するに、ナブスターというのは広大な宇宙において母船等の位置情報を示すシステムではなかろうかと、っていうかそうとしか言えぬ(笑)。
そしてもう一つ、なぜドルフが興味を持ったか?ですが、ISPV-7&ToyBoxの命令系統は以下のようになっていると思います。

ISPV-7→DS12(ToyBox)→フィッシュボーン(船外活動員)
ISPV-7←DS12(ToyBox)←フィッシュボーン(船外活動員)

つまり基本的な通信のやり取りはISPV-7とToyBox間、あとはToyBoxとフィッシュボーン間ということになるのかなと。しかしその中でナブスターに接続できるのはISPV-7とToyBoxではなかろうかと。たぶんフィッシュボーン&船外活動員に情報を送っているのは母船、つまりToyBoxだと思われます。そんなもんだからToyBoxとフィッシュボーンの間に何らかの事故が発生すると母船から送られてくる位置情報をカットされてしまうわけですな。そこでテマラのEVAスーツが出てくる訳です。テマラが持って来たEVAスーツは単体でナブスターと接続できる代物ですから、そのような心配はせずとも良いのだろうという訳でございます。